競技場は足りているという誤解 >

 新国立競技場建設を巡ってさまざまな議論が繰り広げられていますが
ネットの書き込みを見ていて気付いたのはもう競技場は十分足りてるという
誤解をしている方が多いという点。

 実際は東京23区にはJリーグのクラブがクラブライセンスを取るために
必要な競技場すらありません。現在東京23区内にはJリーグ入りを目指して
いるクラブがいくつかありますが、Jリーグ昇格にあたって競技場問題は
避けて通れない問題です。よく陸上競技場でサッカーの試合をやると試合が
見難いなどと批判されますが東京23区にはJリーグの試合を開ける陸上競技場
すらありません。もう完全に地方のほうがサッカーに関しては恵まれていますね。

 国立競技場が閉鎖されてしまったので、新国立競技場が完成するまで
東京23区ではJリーグの試合や日本サッカー協会主催の主な試合は一切開かれ
ないことになります。今月開かれたヤマザキナビスコカップ決勝は都心から遠い
埼玉スタジアム2○○2での開催を余儀なくされました。

 なんで東京23区ではクラブライセンスを取ることすら至難の業なのに
競技場は足りてるなどという誤解が広まっているのかその理由を考えて
みました。

 普段サッカーをあまり見ない層がテレビのニュースなどで接するサッカーの
試合は天皇杯やヤマザキナビスコカップ、高校サッカーなどの決勝戦くらい
でしょうが、それらの試合はすべて国立競技場で行われていました。

 国立競技場は言うまでもなく東京23区内にあるのですから、まさか東京23区内
ではJリーグの試合すらまともに開けないとか思わないですよね。

 競技場はまだまだ整備が必要です。

新国立競技場に設置されるスポーツ博物館 >

 新国立競技場にはスポーツ博物館が設置されますが、収支の見込みは
赤字のようです。まぁ施設の性質上何度も利用する人はそれほどいないと
思われることから赤字と予想されるのも納得できるのですが、せっかく
作るのですから、多くの人に来てもらえる施設を目指すべきだと思います。

 博物館でも常にたくさんの利用者が来ている施設もあります。鉄道博物館も
その一つですが、ただ単に展示物を並べるだけでなく普段はなかなか体験
することのできないものがあると何度も訪れてくれる人も出るのでしょう。

 ワールドカップや五輪の中継に夢中になる国民も多いのですから、
スポーツ博物館も各競技団体に協力をお願いして展示内容の充実に努める
などして黒字を目指すことができればいいですね。理想は定期観光バスや
修学旅行の定番訪問地になることですが。

 新国立競技場の開場後しばらくの間はスタジアムツアーが収益に大きく
貢献しそうですが、長い目でみればやはり目玉が欲しいです。

国立競技場がある霞ヶ丘はサッカーの試合をやるには最高の立地 >

 国立競技場は陸上競技場ですが、Jリーグの開幕戦が開かれた他、ナビスコカップ、
天皇杯、高校サッカーの決勝戦などの会場としても使われていて、サッカーファンに
とっても聖地のような存在の競技場です。

 国立競技場がある霞ヶ丘は新宿と目と鼻の先にあるという都区内でも屈指の
好立地で夜の試合でも都区内の職場や学校から気軽に観戦に行くことができます。

 競技場に隣接したところに大江戸線の国立競技場駅がある他、JR中央線を利用
できる千駄ヶ谷駅と信濃町駅も最寄り駅ですし、銀座線の外苑前駅、半蔵門線の
青山一丁目駅も利用することが可能です。

 大規模な施設なのだから都心の駅から近いのは当たり前だろうと言われるかも
しれませんが日本ではプロリーグの歴史が浅いサッカーでは当たり前ではないの
です。駅から歩いてすぐのところに競技施設があるなどという恵まれた環境で
試合ができるJリーグのクラブは鳥栖、今度球技場が新設される北九州などごく
わずかで、サッカーの会場の大半は駅から徒歩20分ならいいほうという厳しい
現実があります。

 東京近郊のサッカー場として代表的な競技場はサッカー専用の埼玉スタジアム
2○○2ですが、ここに平日の夜開催される試合に行くと仮定して考えてみてください。

 多くの会社が集中している東京、例えば四ツ谷に職場があるとします。職場を
午後6時30分に出たとして、地下鉄南北線の列車に午後6時45分に乗れたとすると
埼スタの最寄り駅である浦和美園駅に着くのは午後7時30分です。ここから
埼スタまで徒歩15分から20分かかりますから、埼スタに着くのは午後8時近くです。
もうこんな時間に着いてもまともに試合観戦なんてできないですよね。

 これではサラリーマンが平日に開催される試合を気軽に観戦に行けるはずも
なく、職場の同僚を誘ってサッカーの試合を見に行くという選択肢を選ぶのはかなり
難しいでしょう。もちろん日本代表戦なら話は別ですが。

 他の競技で良くある平日夜にネクタイ姿のサラリーマンが飲み物を片手に
観戦ということはサッカーでは当たり前ではないんです。

 なので、陸上競技場である国立競技場が今後どうなるのかということに
関心を持たざるを得ません。この屈指の好立地にある競技場は有効活用したいです。

競技場はスポーツのための施設、芝生は競技場の命 >

 JSCから「新国立競技場の収支見込み等」が発表され、新国立競技場に
関する議論が再び盛り上がってきました。発表された文書にコンサートが
年に12日開かれるとあるので、このことについて様々な意見が出て
います。

 競技場でコンサートというとサッカーファンの記憶にあるのが
2008年に起きた味の素スタジアム芝生事件です。

 2008年の5月6日にJリーグのFC東京と名古屋グランパスの試合が開かれる
ことになっていたのに、施設側がFC東京に事前の承諾を求めることなく
で3日と4日にコンサートの予定を入れてしまい、コンサートを強行。

 コンサートから中一日でJリーグ開催という強行などという日程で
芝の状態がまともであるはずもなく、6日の試合では足を滑らせる選手が
続出する事態となってしまいました。

 元々味の素スタジアムは芝の問題を抱えていたということで、FC東京が
味の素スタジアムの使用を中止して、長野県の松本平広域公園総合球技場に
暫定移転をするという話まで出る事態に発展しました。

 結局施設側が天然芝を張り替えることで決着しましたが、競技場は何の
ための施設であるかを施設の管理者が忘れるとどういうことが起きるのか
ということをこの事件は教えてくれました。

 競技場は選手が最高のプレーをできるようにするための施設で、芝生は
試合の展開、時には選手生命を左右する命のような存在です。その芝生に
問題を抱えているような施設はスポーツの施設として欠陥があると言わざるを
得ません。

 新国立競技場はコンサートなどイベントを多く誘致することによって
収益を上げる計画を立てています。もちろん収益を上げるのも大事なこと
なのでサッカーやラグビーの試合が開かれない日にイベントを開催するのは
問題ないと思います。

 でもコンサートなどのイベントを開く場合は芝生を良好な状態で維持する
ことが大前提でしょう。

 新国立競技場の主役はあくまでもスポーツの大会のはずです。JSCは
新国立競技場の芝生の管理に細心の注意を払って欲しいです。

屋根無し案支持は人命軽視の証 >

 新国立競技場は新築でなく改築で十分という意見があります。別に
新築だろうが改築だろうが選手や観客が快適に施設の利用ができるので
あるならば構わないのですが、改築案は客席の屋根無しでいいと言っている
人たちに私は賛同できません。

 今熱中症で多くの人が救急搬送されたということが報道されています。
熱中症は場合によっては命の危険もある恐ろしい病なので、今や日本に
とって大きな社会問題です。

 新国立競技場は2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年の
東京オリンピックで使われます。世界中から多くの人がやってきますが
それらの人たちの安全を守るのはホスト国にとって当然の義務です。
また新国立競技場はサッカーやラグビーの国内大会で長きに
渡り使われるのですから、利用者にとって安全な施設でなければならない
のですが、それを理解していない人たちがいます。

 新国立競技場は改築でというのはまぁいいとして、客席に屋根をつけるなと
いうのは一体どういうことなのでしょう? 改築案は多数発表されていて、
統一改築案のようなものはまだないのですが、建築家の伊東豊雄さんが
発表した改築案が、マスコミで大きく取り上げられていて、各種シンポジウムで
紹介された際に特に反対意見もないところを見ると、伊東さんの案はおおむね
改築派の賛成を得ているものと思われます。

 その伊東さんの案には観客席にまともな屋根はありません。屋根の下に
なる観客席は3割にも満たないのですが、これだけ熱中症の対策が叫ばれて
いる時にいくらたたき台の案とは言ってすべての観客席を屋根で覆わない案を
出す感覚を私はどうしても理解できません。観客席に屋根がなければ当然
観客は直射日光から逃げることはできません。数時間ずっと太陽に炙られ
続けることになります。そんなことをしたら人間の体はどうなるか? 子供
でも分かることでしょう。

 建築費を少しでも安くするのは当然としても削ってはいけない経費と
いうものはあるはずです。新築の半分とかいう言葉だけに飛びついて
しまうのはまずいと思います。観客席に屋根をつけるかどうかなんて
議論の対象になること自体がおかしいんです。開閉式遮音装置に
ついては賛否両論あるとは思いますが。

 伊東さんが改修案を発表したシンポジウムに登壇したパネラーは著名な方々
ばかりですが、伊東さんの案について、誰一人として観客の健康を守る
という視点で観客席に屋根がない点を指摘した方がいらっしゃらなかった
のは大変残念でした。観客席に屋根がないと真夏に何が起きるかなんて
いうことは素人が考えても分かりそうなものなのですが。

 もちろん屋根無し改築案を支持している人たちが「観客は直射日光に
炙られろ」「スポーツを見る奴なんか体を壊してしまえばいい」などと
考えているわけではないと思います。ただ明らかに想像力が足りて
いません。

 建設費削減も大事、景観を守るのも大事、「歴史的文脈」も大事、
でも人命を軽視したらすべて台無し。
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ツイッターでニュースや時の話題に関することをつぶやいています。このブログでは新国立競技場について一観客の立場から感じたこととを色々書いていきたいと思います。

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