屋根無し案支持は人命軽視の証 >

 新国立競技場は新築でなく改築で十分という意見があります。別に
新築だろうが改築だろうが選手や観客が快適に施設の利用ができるので
あるならば構わないのですが、改築案は客席の屋根無しでいいと言っている
人たちに私は賛同できません。

 今熱中症で多くの人が救急搬送されたということが報道されています。
熱中症は場合によっては命の危険もある恐ろしい病なので、今や日本に
とって大きな社会問題です。

 新国立競技場は2019年のラグビーワールドカップ、そして2020年の
東京オリンピックで使われます。世界中から多くの人がやってきますが
それらの人たちの安全を守るのはホスト国にとって当然の義務です。
また新国立競技場はサッカーやラグビーの国内大会で長きに
渡り使われるのですから、利用者にとって安全な施設でなければならない
のですが、それを理解していない人たちがいます。

 新国立競技場は改築でというのはまぁいいとして、客席に屋根をつけるなと
いうのは一体どういうことなのでしょう? 改築案は多数発表されていて、
統一改築案のようなものはまだないのですが、建築家の伊東豊雄さんが
発表した改築案が、マスコミで大きく取り上げられていて、各種シンポジウムで
紹介された際に特に反対意見もないところを見ると、伊東さんの案はおおむね
改築派の賛成を得ているものと思われます。

 その伊東さんの案には観客席にまともな屋根はありません。屋根の下に
なる観客席は3割にも満たないのですが、これだけ熱中症の対策が叫ばれて
いる時にいくらたたき台の案とは言ってすべての観客席を屋根で覆わない案を
出す感覚を私はどうしても理解できません。観客席に屋根がなければ当然
観客は直射日光から逃げることはできません。数時間ずっと太陽に炙られ
続けることになります。そんなことをしたら人間の体はどうなるか? 子供
でも分かることでしょう。

 建築費を少しでも安くするのは当然としても削ってはいけない経費と
いうものはあるはずです。新築の半分とかいう言葉だけに飛びついて
しまうのはまずいと思います。観客席に屋根をつけるかどうかなんて
議論の対象になること自体がおかしいんです。開閉式遮音装置に
ついては賛否両論あるとは思いますが。

 伊東さんが改修案を発表したシンポジウムに登壇したパネラーは著名な方々
ばかりですが、伊東さんの案について、誰一人として観客の健康を守る
という視点で観客席に屋根がない点を指摘した方がいらっしゃらなかった
のは大変残念でした。観客席に屋根がないと真夏に何が起きるかなんて
いうことは素人が考えても分かりそうなものなのですが。

 もちろん屋根無し改築案を支持している人たちが「観客は直射日光に
炙られろ」「スポーツを見る奴なんか体を壊してしまえばいい」などと
考えているわけではないと思います。ただ明らかに想像力が足りて
いません。

 建設費削減も大事、景観を守るのも大事、「歴史的文脈」も大事、
でも人命を軽視したらすべて台無し。
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ツイッターでニュースや時の話題に関することをつぶやいています。このブログでは新国立競技場について一観客の立場から感じたこととを色々書いていきたいと思います。

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